AIに広告を確認させれば、法律違反はなくなる。そう言い切れたら簡単ですが、私はそう考えていません。AIも間違えます。それでも使うのは、正直さを人の記憶だけに任せないためです。
小学生に説明するなら、AIは最後に丸をつける先生ではありません。見落としを何度でも探すチェック係です。
詳しい人がいれば大丈夫、では続かない
化粧品の広告には、薬機法や景品表示法の確認が必要です。担当者が詳しくても、忙しい日があります。人が替わることもあります。同じ人でも、同じ言葉を毎回同じように見られるとは限りません。
「気をつける」だけでは、いつか抜けます。だからPinelmaでは、公開前の確認を工程にしています。
使ってはいけない表現がないか。医薬部外品として認められた効能の範囲か。最大級の数字に根拠があるか。出典へ戻れるか。こうした確認を、AIと機械的な検査で繰り返します。
AIの答えを、そのまま正解にしない
AIは、もっともらしい間違いを書くことがあります。禁止語を使っていなくても、写真と文章を合わせると効き目を約束しているように見える場合もあります。
そのため、AIの確認だけで公開を決めません。公的な出典へ戻る。文章の前後を見る。画像を含む広告全体を見る。判断が割れるものは、人が止める。
AIを使うことと、AIへ任せきることは反対です。確認回数を増やし、人が見るべき場所をはっきりさせるために使います。
速く作るためより、同じ床を通すため
AIは、文章や画像を速く作れます。ただ、PinelmaがAIを使う中心の理由は、制作本数を増やすことではありません。
誰が作っても、同じ確認を通す。昨日は確認したのに、今日は忘れた、を減らす。根拠がない言葉を公開前に止める。正直な経営を、担当者の善意ではなく仕組みにする。
これは製造に似ています。化粧品を作るとき、毎回の品質確認を「今日は大丈夫そう」で省くことはできません。広告の確認も、やがて同じような標準工程になると考えています。
AI活用を誇る会社ではなく
目指しているのは、「AIを使っている先進的な会社」と呼ばれることではありません。AIを使っているか意識されないほど、法令順守が日常に組み込まれた会社です。
強い表現を法律のぎりぎりまで攻めるためではない。言いすぎない、隠さない、根拠へ戻れる。その当たり前を、毎回繰り返すためです。
AIを入れれば正直になるわけではありません。正直であると決めるのは、経営です。AIにできるのは、その決定を忘れにくい工程へ変えることだと思っています。
まとめ
- AIは法的適合を決める先生ではなく、見落としを探すチェック係。
- 禁止語だけでなく、効能範囲・根拠・出典・広告全体を確認する。
- AIの判定を公的資料と人の判断で確かめる。
- 目的は速さではなく、誰が作っても同じ法令順守の床を通すこと。
本記事は株式会社Pinelmaの現在の運用方針を説明したものです。AIや機械検査だけで法的適合が決まるものではありません。個別の表示は、公的資料と広告全体の文脈を踏まえて判断します。
